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鳩の泪 [borderline <ボーダー>]

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車道に鳩が横たわっていた
往来する車を静止して近づくと微かに息があった
ハンカチに包んで拾い上げた

飛べるはずが飛べない
動けるはずが動けない
逃げるに逃げられない
そうして、自分の何百倍もある鉄の塊がすぐ脇を動いていく

怖いだろうと感じた
寒いだろうと感じた
喉が渇いただろうと感じた
生きようとしていると感じた

体を調べてみると羽の下に大きな傷があった
外敵に襲われたらしい
見た目よりも体が軽かった
充分に食べていないのか

体中の羽が次々と抜け落ちて舞ってゆく
おそらく助かるまい
ならば、逝くまでそばにいようと思った

ひと気のない境内の陽の中で嘴を水で濡らす
喉を潤しているように見えた
やがて呼吸が大きくなって
見開いた瞳を潤ませて、そして去っていった



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コメント 3

engrid

合掌
by engrid (2017-01-23 15:44) 

MIKUKO.

あまりにも切なすぎますね。
本当ならもっと生きられた筈なのにね・・・。
自然界の厳しさを解ってはいても・・・。
でも、優しさに触れ見守られながらの最期で、
きっとこの子は救われたと思います。
有り難うございます。
by MIKUKO. (2017-01-23 21:34) 

RobertCole

お二人とも、コメントありがとうございます。
わたしが水を飲ませたから生の時間が短くなったのかなぁ〜、とかいろいろ考えてしまいますが、それは私の問題。境内には鳩の群れが沢山いたので、きっと寂しくはなかっただろうと思います。
by RobertCole (2017-01-24 23:26) 

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